相続が開始されると、遺族は亡くなった方が遺された財産の内容を把握し、これを「遺産目録」というかたちで一表にまとめる必要があります。
ここで集められた財産は、その先の相続人間の分割協議だけではなく、相続税計算の基準ともなるものですが、その全てが相続税の課税対象となる訳ではありません。
相続税が課される財産は原則として「金銭に見積もることができる経済的価値のあるもの」全てということになります。現金預金、株式などの有価証券、不動産、自動車などはもちろんのこと、貴金属や骨董品、貸付金、著作権など金銭的価値のある財産は課税対象となります。
一方で、制度上、遺産目録に挙げられていても相続税の課税対象とはならない、いわゆる「非課税財産」も存在します。主だったものとしては、墓所・墓地、仏壇・仏具または祭具、国や地方公共団体や特定の公益法人に寄附した財産などが挙げられます(自身の墓地を生前に購入しておくと節税になるという話しがありますが、これは墓地が非課税財産とされており、自身の死後、財産として遺っても相続税が課されないからです)。
また、相続によって被相続人から直接取得したものではなくても、制度上相続財産とみなされ、相続税の対象とされる財産もあります。これを「みなし相続財産」と言います。 この代表的なものが生命保険金です。被相続人の死亡によって生命保険会社などから支払われた生命保険金(死亡保険金など)で、その保険料を亡くなった方が負担していたものは、原則として相続税の課税対象となります。また同様に、被相続人の死亡により被相続人の雇用主より支給された退職金や功労金も原則としてこのみなし相続財産として課税財産とされます。 ただし、この生命保険金と死亡退職金については、相続人の数に応じた一定の非課税枠が設けられておりますので、実際に課税対象となるのは、この非課税枠を超えた分ということになります。
【相続税が課される財産】
【相続税が課されない財産】
【みなし相続財産】
● 生命保険金など
相続税が課税される財産か課税されない財産か、これをきちんと理解することは効果的な相続税の生前対策に結び付きます。財産の評価方法と併せてご確認ください。
相続税の計算方法についてくわしくはこちら https://nagoya-sozokuzei.jp/how-to-calc/
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