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Q30 生涯独身で法定相続人がいない人が遺言も残さなかった場合、遺産は誰が受け取るのでしょうか?

法定相続人ではない者が遺言などで遺産を受け取ることになった場合も、同じように相続税の支払いが必要ですか?
kurumaisu
法定相続人がいない者の遺産は、遺言がない場合、最終的には国庫帰属となります。この場合、納税義務者が存在しないことになりますので、相続税は発生しません。

民法上の法定相続人(配偶者、子、親、兄弟姉妹)がいない方が亡くなり、その方の遺言や死因贈与契約が存在しない場合、利害関係者や検察官の申請により家庭裁判所が相続財産管理人の選任を行います。

この相続財産管理人が相続人捜索や債権者確認のための公告や特別縁故者への分与等の一定の手続きを行い、最終的に残った相続財産があれば全て国庫帰属となります。

このようなケースにおいては、相続ないし遺贈により財産を取得する者がおりませんので、相続税の申告納付義務は誰にも生じないことになります。

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Q28 相続人のうちに障害者がいる場合、相続税控除のための手続きが必要になるのでしょうか?

相続人のうちに障害者がいる場合、相続税の控除を受けることができると聞きましたが、このためには何か特別な手続きが必要になるのでしょうか?
kurumaisu
相続税にも障害者控除の制度はあり、障害者である相続人(および一定の他の相続人)は、年齢に応じた一定の税額控除を受けることができます。申告要件ではありませんので、適用のための特別な手続きはありません。

所得税と同様に相続税にも障害者控除の制度はあり、相続や遺贈により財産を取得した方が障害者である場合、一定の税額控除を受けることができます。

障害者控除を受けられる方は次の要件の全てを満たす方です。

  • 相続開始時に日本国内に住所があること。
  • 法定相続人であること。
  • 相続開始時に法の定める障害者であること。
  • 相続開始時に85歳未満であること。

ここでいう「法の定める障害者」は、一般障害者と特別障害者に区分され、次の表に示す者が該当します。

一般障害者 特別障害者
指定医等の判定により知的障害者とされた者のうち、 重度の知的障害者とされた者以外の者 重度の知的障害者とされた者
精神障害者保健福祉手帳の障害等級が、 2級または3級である者 1級である者
身体障害者手帳の障害の程度が、 3級から6級である者 1級または2級である者
戦傷病者手帳の交付を受けている者で、恩給法での障害の程度が、 4項症から6項症の記載のある者他 特別項症から3項症の記載のある者

障害者控除の控除額は、対象となる方の年齢が85歳に達するまでの年数に、一般障害者は10万円、特別障害者は20万円をそれぞれ乗じて計算します。

これを計算式で示すと次のようになります。

(85歳 - 相続開始時の年齢) × 10万円または20万円

相続税の障害者控除は大変特徴的な面があり、障害者控除の金額が障害者本人の相続税額を超える場合(本人が控除しきれない金額がある場合)には、 この超過分を同一の被相続人から相続または遺贈により財産を取得した者のうち、障害者の扶養義務者に該当する者の相続税額から控除することができます。 ここでいう扶養義務者とは、

  1. 配偶者
  2. 直系血族(父母や子)
  3. 兄弟姉妹
  4. 三親等内の親族で家庭裁判所の審判で扶養義務者となった者あるいは障害者と生計を一にする者
を言います。

なお、障害者控除は相続税法上の特例ではありませんので、配偶者の税額軽減制度のように申告書を提出して控除額計算を示す必要はありません。 すなわち、障害者控除を加味した結果、納税額が発生しないことが分かった場合、申告書を提出する必要はありませんので、ご留意ください。

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Q25 相続税の申告は各自で行うことができますか?

相続人が複数いますが、それぞれが離れて暮らしており、なかなか会う機会がありません。このような場合、相続税の申告は各自で行うことができますか?
申請
相続税の申告は相続人各自で行うことができます。ただし、記載されている遺産の内容や金額が相続人ごとに異なっている場合、税務調査のきっかけとなります。

相続税の申告は、その申告書の様式を見ても相続人全員が共同して署名押印して提出することが義務付けられているように思えますが、法律上はあくまで相続人各人がそれぞれ納税義務者であり、個々に申告することがむしろ原則とされています。

相続税法上、「申告書の提出先の税務署長が同一であるときは共同して提出することができる」と規定されている(27条5項)一方で、その附則において、「当分の間」としながらも、「申告すべき相続税に係る納税地は...被相続人の死亡の時における住所地とする」と定めているため(附則3項)、実務上は相続人が一緒に一つの申告書を連名で、被相続人の最後の住所地を管轄する税務署に提出することが通常となっています。

とは言っても、相続人が各々で申告書を作成すると、手間やコストが余計にかかる上、申告書に記載される遺産の内容やその評価額に違いがあると、受け取った税務署側はその検証と調整を行う必要が生じ、税務調査が実施されることにつながります。

税務調査について詳しくはこちらをご覧ください。

相続税の申告期限は相続開始から10ヶ月と比較的期間が長いので、遺産分割がまとまらないケースなどは仕方ないにしても、相続人が離れて暮らしていることだけが理由でしたら、相続人のお一人が取りまとめ役になり作成する、あるいは税理士に依頼するなど、共同で提出できるよう事前に相続人間でお話しされることをお勧めします。

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Q24 「モノ」の納付

相続税の納付がどうしても難しい場合、代わりに「モノ」を納付することもできると聞いたことがあります。それは具体的にどのようなケースに適用され、どのような「モノ」が納付の対象となるのでしょう か?
不動産
相続税の納付には「物納」の制度があり、金銭的事情で相続税の納付が困難な場合、一定の要件を満たせば、不動産などの相続財産を提供することで、納付に代えることができます。

相続財産のほとんどが不動産である場合などは、相続税は発生するもののそれを納付する金銭が不足するという状況が生じます。相続税の納付手続きにおいてはこれを救済する手段として、年 賦での納付を認める「延納」の制度を用意し、それでも納付できない場合のために「物納」の制度を設けています。

このとおり、相続税の物納は希望すればできるというものではなく、あくまで延納によってもなお金銭での納付を困難とする事由がある場合にその納付できない金額の分だけ適用できるという制度です。

物納の対象となる物は、相続税の課税価格計算の基礎となった相続財産で日本国内にあるものですが、適用にあたり優先順位があり、原則として、

①不動産、上場株式、国債等
②非上場株式等
③その他動産

の順に従い物納に充てられます。

ただし、抵当権などの担保の付いている不動産や、譲渡制限のある株式などは、管理処分不適格財産として物納の対象から除かれますのでご注意ください。

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Q22 配偶者は実質相続税を支払わなくてよいというのは本当ですか??

配偶者には控除があり、相続税を実質支払わなくてよいという話しを聞いたことがあります。これは本当ですか?
夫婦
相続税法には配偶者の税額軽減という制度があり、配偶者は相続により取得した遺産額のうち、①1億6000万円と、②法定相続分相当額、のどちらか多い金額までは相続税がかからないことになっています。

被相続人の配偶者には、被相続人の財産の維持・形成への貢献や、その後の生活資金の確保という観点から、相続税の納税につき一定の優遇措置が図られています。

具体的には、配偶者が相続(または遺贈)により財産を取得した場合には、実際に取得した遺産額が、次のどちらか多い金額までは計算上発生する相続税額が控除されることになっています。

①1億6000万円
②配偶者の法定相続分に相当する金額

すなわち、どのような場合でも配偶者が取得した遺産は1億6000万円までは課税されず、これ以上の金額の遺産を取得した場合であっても、法定相続分(2分の1)の相当する金額まではやはり課税されないということになります(遺産総額が5億円である場合、配偶者が取得する金額のうち、2億5000万円までは課税されないということです)。

この配偶者税額軽減を適用するにあたりお気を付けいただきたいことは、まず、適用する金額を明細に記載した上で申告書を提出する必要があるということです。相続人が配偶者だけで、遺産が1億6000万円以下の場合ですと、この制度により納税はないので何もしなくてよい、と判断してしまいそうですが、結果として納税が生じない場合でも申告書の提出は必要となりますので、ご注意ください。

また、この制度は、相続税の申告期限までに分割されていない遺産に関しては適用することができません。もし相続人間で遺産分割に関する話し合いがまとまらず、未分割の状態で申告をする場合、配偶者でも法定相続分に応じた納税が必要となります。この場合、「申告期限後3年以内の分割見込書」という書面を申告書と同時に提出することにより、将来遺産分割が確定し、本制度の適用が可能となった段階で、納付し過ぎている相続税の還付を請求することができます。

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もう一つの小規模宅地特例の改正 - 貸付事業用宅地の要件も厳格に

●はじめに

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今年4月より適用が開始されている平成30年税制改正事項のうち、小規模宅地等の特例に関して、被相続人が居住していた宅地(特定居住用宅地)に対する要件が厳格化されたことについては先にご説明しましたが(詳しくは「平成30年度税制改正大綱 - 小規模宅地特例の要件厳格化」をご参照ください)、この小規模宅地等の特例については、被相続人が貸付事業に供していた土地に関しても、今年4月よりその適用要件が厳格になっています。

本稿ではこの小規模宅地特例の「もう一つの厳格化」についてフォローしたいと思います。

●貸付事業用宅地とは何か

貸付事業用宅地とは、事業と称するに至らない程度の不動産の貸付けの対象となっている宅地を言い、被相続人(またはこれと生計を一つとする親族)が比較的小規模に行っている貸アパートや貸駐車場などの敷地を指します。

●小規模宅地特例を貸付事業用宅地に反映する要件とは

(1)小規模宅地特例についておさらい

小規模宅地特例制度においては、この敷地を取得した相続人が、相続税の申告期限まで、当該土地の貸付事業を継続し、かつ保有し続けるなどの要件を満たせば、200㎡を上限に、50%の評価減をすることができます。

居住用宅地に適用する場合の上限が330㎡で、評価減の割合が80%であることと比較すると、相続人にとっての制度上の有利性は劣るのですが、相続人全員がマイホームに居住しており居住用宅地への適用ができない場合や、貸駐車場の敷地単価が自宅に比してかなり高い場合などにおいて有効に活用することのできる制度です。

(2)貸付事業用宅地にこの特例を反映するための要件が増えました(2)貸付事業用宅地にこの特例を反映するための要件が増えました

この貸付事業用宅地に関するこの度の改正内容ですが、限度面積や評価減の割合が変わった訳ではありません。適用に際して、貸付事業の開始時期についての要件が加わりました。すなわち、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地については特例適用の対象外とすることとされました。

これは、この特例を適用することだけを目的として、相続開始の直前に急に貸付事業を始めるといった特例適用の濫用を避けようとするものであり、その趣旨は先の居住用宅地の適用の厳格化と相通じるものがあります。

●新たな要件が加わったことから、注意点も2点増えました

ところで、この新たな要件が加わることに関連して留意すべき事項が2点あります。

注意点1:平成30年3月31日までに貸付事業の用に供すれば、特例の対象外にならない

1つ目は経過措置なのですが、この新制度の適用開始前、すなわち平成30年3月31日までに貸付事業の用に供された土地については、特例の対象外となる規制は受けないということです。

ただ、ここで言う「事業の用に供する」とは、単にアパート等を取得しただけでは足りず、実際に貸付事業を開始していなければならないとされています。
(この税制改正が明らかにされた後、駆け込み需要があったようですが、実際に3月末まで貸し付けていると言える状況に持って行くことは相当困難であったと思われます。)

注意点2:一定の事業規模があれば、特例が適用される

留意すべき2つ目は、相続開始前3年を超えて一定の事業的規模(いわゆる「5棟10室」以上が基準となります)で不動産貸付事業を行っている者が新たな行った貸付事業は、相続開始前3年内の事業開始であったとしても、この規制は受けず、特例の適用があるということです。

すなわち、被相続人が生前から3年を超えて10室以上あるアパート経営をしている場合に、亡くなる直前に2棟目のアパートの賃貸を開始していた場合などは、たとえそれが相続開始前3年内の事業開始であったとしても、当該2棟目のアパートは特例適用の対象に含めてもよいということになります。

●まとめ

この貸付事業用宅地に関する小規模宅地特例の適用には、貸アパートに空室がある場合の調整や、貸駐車場の場合に一定の構築物が存在していなければならないといった適用要件など、利用するにあたり検討を要する事項が諸々あります。適用の可能性がある方は専門家に早めにご相談いただければと思います。

Q20 遺留分とは何ですか?

相続税の支払いまでをスムーズにするために、遺言を遺そうと思っています。この時、遺留分に注意すべきと聞いたのですが、遺留分とは何ですか?
遺留分

遺留分とは、一定の相続人のために、法律上必ず留保されなければならない遺産の一定割合の事をいい、被相続人の意思を制限するものであり、法定相続分の2分の1(相続人が直系尊属のみの場合は3分の1)が遺留分となります。兄弟姉妹には遺留分はありません。

◆遺留分算定の基礎となる財産額
被相続人の相続開始時における相続財産の価額 + 贈与財産の価額(注1)- 被相続人の相続開始時における債務の額

加算される贈与は、以下のものとなります。

  • 相続開始前の1年間にされた贈与
  • 相続開始前の1年以上前にされた場合であっても遺留分権利者に損害を与え ることを知ってした贈与
  • 特別受益としての贈与は、相続開始前1年以内に限らず、原則としてすべての贈与が加算されます。

◆各人の遺留分額
遺留分の算定の基礎となる財産額×2分の1(相続人が直系尊属のみの場合は3分の1)×法定相続分の割合

◆遺留分侵害額
各人の遺留分額 - (遺留分権利者が相続によって得た財産額-相続債務分担額)-特別受益額

遺言書を作成した場合において、その遺言の内容が、一部の相続人の遺留分を侵害する内容である場合には、その相続人(遺留分権利者及びその承継人)は、原則相続の開始があったことを知った日から1年以内に遺留分を保全するために、遺留分の減殺請求をすることができます。

したがって、遺言書を作成するときには、一部の相続人の遺留分を侵害するような内容である場合には、遺留分を侵害されたその相続人から、遺留分の減殺請求を受けることを想定しておいた方がよいでしょう。

参考事例

死亡時の財産3億円 相続人は妻・長男・次男の3人 長男に生前贈与6億円

◆遺留分権利を行使しないときの取得額
妻・・・(3億円+6億円)×1/2=4億5,000万円
長男・・(3億円+6億円)×1/4-6億円=-3億7,500万円(マイナスの時でも払い戻しはなし)
次男・・(3億円+6億円)×1/4=2億2,500万円

妻・・・3億円×(4億5,000万円/(4億5,000万円+2億2,500万円))=2億円
長男・・ゼロ
次男・・3億円×(2億2,500万円/(4億5,000万円+2億2,500万円))=1億円

◆遺留分算定の基礎となる財産額
3億円+6億円=9億円

◆各人の遺留分額
妻・・・9億円×1/2×1/2=2億2,500万円
次男・・9億円×1/2×1/4=1億1,250万円

◆遺留分侵害額
妻・・・2億2,500万円-2億円=2,500万円の侵害
次男・・1億1,250万円-1億円=1,250万円の侵害

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Q19 海外に移住したら相続税を支払わなくて住みますか?

シンガポールなど、相続税がかからない国があると聞きました。そういった国に完全に移住してしてしまえば、国籍は日本でも相続税は支払わずに済みますか?
教育資金

  シンガポールなど国外に移住したとしても、日本の相続税課税から逃れられる訳ではありません。

  どのような場合で、日本国内に存する財産につきましては課税対象となりますし、移住しても10年以内に相続が開始された場合は、国内・国外双方の財産が課税対象となります。

 10年を経過した後であっても、遺産を相続する相続人が日本に居住している場合、あるいは日本国籍を有して相続開始前10年以内に日本国内に居住していた場合は、やはり国内・国外双方の財産が課税対象となります。

近年の税制改正により、一時的に日本に滞在する外国人等に対する課税負担は減らされましたが、日本人の国外移住に対する規制は強化されておりますのでご注意ください。

相続税の納税義務については、以下の表を参考にしてください。

非相続者                          相続者 日本国内に住所あり 日本国内に住所なし
日本国籍あり 日本国籍
なし
               一時居住者
(※3)
10年以内に国内に住所あり 10年以内に国内に住所なし
日本国内に住所あり
外国人被相続人(※1)
日本国内に住所なし 10年内に日本国内に住所あり
非居住被相続人に該当(※2イ)
10年以内に日本国内に住所なし(非居住被相続人、※2ロ)

居住無制限納税義務者 国内外を問わず全ての財産が課税対象となる
非居住無制限納税義務者
居住制限納税義務者 国内財産のみが課税対象となる
非居住制限納税義務者

(※1)外国人被相続人とは、相続開始の時において在留資格(*)を有しており、かつ、日本国内に住所を有していたその相続にかかる被相続人をいいます。

(※2)非居住被相続人とは、相続開始の時において日本国内に住所を有していなかったその相続にかかる被相続人であって、次のいずれかの者をいいます。
イ その相続開始前10年以内のいずれかの時において日本国内に住所を有していたことがあるもののうち、そのいずれの時においても日本国籍を有していなかったもの。
ロ その相続開始前10年以内のいずれの時においても日本国内に住所を有していたことがないもの。

(※3)一時居住者である相続人とは、相続開始の時において在留資格(*)を有する者であって、その相続開始前15年以内において日本国内に住所を有していた期間の合計が10年以下である相続人をいいます。

*在留資格とは、出入国管理及び難民認定法別表第一の上欄の在留資格をいいます。


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Q17 相続税を支払った後に、別途確定申告をする必要はありますか?

相続税を支払った後に、別途確定申告をする必要はありますか?必要であればどのような書類が必要になりますか?
税務署

相続税を支払った後に、その相続により取得した財産につき所得税の確定申告をする必要はありません。

所得税法においては、どのような原因で発生したものかをいっさい問わず、純資産を増加させる利得は全て所得とする考え方ですので、相続、贈与により取得したものも所得として捉えます。

しかし、所得税法9条において、相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するものは非課税所得と規定され、所得税と相続税の二重課税を排除しております。

しかしながら、相続が発生した時に、所得税の対象となるもので、相続財産と間違われやすいものもいくつかありますので、その一部を以下にご紹介します。

(例)
  • 被相続人を被保険者とする生命保険金を相続人等が取得した場合において、保険料負担者が生命保険金を取得したその相続人等である場合(保険料負担者と保険金受取人が同一の場合)には、その相続人等の一時金で受取る場合には一時所得、年金で受取る場合は雑所得になります。
  • 未支給年金請求権については、受給権者である被相続人に係る遺族が、その未支給の年金を自己の固有の権利として請求するものであり、その遺族の一時所得に該当します。
  • 被相続人の準確定申告に係る還付金は、相続税の課税の対象になりますが、還付加算金は相続人の所得(雑所得)となります。
  • 被相続人の死亡後3年経過後に支給が確定した退職手当金は、支給を受けた相続人等の一時所得です。

相続人の方が確定申告をする場合には、その金額の根拠資料が必要となり、その多くは相続発生後のものとなりますので、これらの書類は保管しておいたほうがよいでしょう。

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Q14 明らかに相続税がかからない場合、申告は不要ですか?

明らかに相続税がかからない場合であれば、税務署への申告は一切不要ということでしょうか?何か事情があるときには、申告をする必要もあるのですか?

相続税の申告書は、以下の算出式で計算した相続税額があるときに、提出する義務があるとされています。

A

取得した財産の価額
相続開始前の一定期間に被相続人から贈与を受けた財産の価額 (注)
相続時精算課税適用財産の価額

B

非課税財産
債務及び葬式費用の金額
遺産に係る基礎控除額

C

暦年課税分の贈与税額控除額
未成年者控除額
障害者控除額
相次相続控除額
外国税額控除額
相続時精算課税分の贈与税額控除額

算出式 : 【 A-Bに係る相続税額 】-【 C 】

(注) 令和5年度税制改正により、この「一定期間」が3年から7年に変更されました。経過措置の適用により、次のとおりこの先順次3年から7年に延びていきます。

  • 令和8年12月31日までに死亡した場合:相続開始前3年以内
  • 令和9年1月1日から令和12年12月31日までに死亡:令和6年1月1日から死亡日までの期間
  • 令和13年1月1日以後に死亡:相続開始前7年以内

上の計算の結果がマイナスとなる場合、原則として相続税の申告は不要となります。
ただし、次のような特例の適用により相続税が発生しないケースでは、相続税申告書の提出が必要になります。

税申告

1. 取得した財産の価額の中に小規模宅地等の特例の適用財産が含まれており、これにより相続税額がゼロになる場合
2. 上記算式で計算した結果、相続税額が生じ、これを配偶者税額軽減の適用により相続税額がゼロになる場合

税申告

1. 取得した財産の価額の中に小規模宅地等の特例の適用財産が含まれており、これにより相続税額がゼロになる場合
2. 上記算式で計算した結果、相続税額が生じ、これを配偶者税額軽減の適用により相続税額がゼロになる場合

ところで、上述のとおり、相続時精算課税制度を選択していた相続人に課せられた贈与税額がある場合には、その相続人が負担する相続税額からその贈与税額を控除しますが、このときに、上の算式で計算した金額がマイナスになることがあります。この場合、相続税の申告書の提出義務はありませんが、申告書を提出することにより還付を受けることができます。

なお、相続開始前の一定期間に被相続人から贈与を受けた財産につき課せられた贈与税額(上述の(注))についても、その相続人が負担する相続税額から控除することができますが、この場合は、たとえマイナスとなっても、相続時精算課税制度の適用者と異なり、還付を受けることはできません。この点ご留意ください。

相続税の申告実務では、申告書の提出義務があるかどうかの判断を早い段階で行うことが肝要となります。
例えば、時間をかけて申告書の作成を進めたあとに、障害者控除や未成年者控除の適用により相続税が生じないことが分かり、申告する必要がなくなったということもあります。
相続が発生したら、早めにご相談されることをお勧めします。

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