相続税は所得税や法人税と同様に申告納税制度が採られていますので、税額については納税者自らが計算し確定させ、これを自主的に申告納付する必要があります。従いまして、相続税の納税義務があるか否か、納税すべき税額などを税務署に尋ねたところで教えてもらえるものではありません。
ただ、相続の開始から半年くらい経過した後、税務署から「相続税の申告等についてのご案内」と題する通知が届く場合があります。これはもちろん納付すべき税額等が記載されているものではなく、税務署側が相続税の課税が見込まれると判断した相続人に対し、相続税の申告が必要か否かの判断を促し、遺産等の情報を得る目的で送付されるものです。
ここには「相続税の申告要否検討表」という用紙が同封されており、ここに相続人や遺産にかかる情報を記入していくことで、納税義務があるか否かの判断が一次的にできるようになっています。この書類は記入のうえ税務署に提出が求められておりますので、記入に際し不明な点がありましたら税務署に尋ねることもできます(面談の日時につきあらかじめ予約をする必要はあります)。
ご留意いただきたいことは、この通知が届かなかったから相続税の申告納付義務がないと判断することはできないということとです。また、計算方法や資産の評価方法などにつき税務署に事前相談に伺ったとしても、税務署はその相続税計算に適用可能な特例についての判断などは期待できません。
自身に申告義務があるか否か、ある場合に適切な税額計算ができるか否かにつき不安がある方は、やはり専門の税理士にお早めにご相談されることをお勧めいたします。
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