この度の税制改正大綱のうち、相続税・贈与税に関係する主なものは、こちらです。
所得税に関連する税制改正
・相続財産に係る譲渡所得の課税の特例の見直し
相続税制に関連する税制改正
・特例農地が収用等により譲渡した場合の納税猶予関係の特例の見直し
・特定貸付等の相続税又は贈与税の納税猶予
・特定計画山林についての相続税の課税価格計算の特例
医療機関に関係する税制改正
・医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の創設
特徴は、医療機関に関するもの以外、相続税及び贈与税に関係する大きな改正はないところです。
ただ、相続税に関連した、相続財産の譲渡時の取得費加算は、今まで納税者有利だったものが見直され該当される方にとっては負担増になります。
ここでは、その「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例の見直し」について、簡単にご紹介します。
相続財産である土地等を譲渡した場合の特例について、その土地等を譲渡した場合に、譲渡所得の金額の計算上、取得費に加算する金額が変更されました。
改正前: その者が相続したすべての土地等に対応する相続税額
↓
改正後: その譲渡した土地等に対する相続税相当額
相続又は遺贈により取得した資産を、相続の開始があったことを知った日の翌日から、相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年以内に譲渡した場合は、その譲渡した資産の取得費については、通常の取得費に次の①又は②の区分に応じ、それぞれに定める相続税相当額を加算することができます。
① 譲渡した資産が土地等である場合
② 譲渡した資産が上記①以外の資産である場合
この特例は、平成5年度の税制改正に設けられたもので、当時は土地の譲渡所得に係る税率(37%)が高く、税負担を軽減することを目的とされておりました。
しかし、現在では土地の譲渡所得に係る税率(20%)や地価は下がり、特例の必要性がなくなったため、この度の改正(特例の廃止)に至りました。
なおこの改正は、平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈により取得した資産を譲渡する場合に適用されます。
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